新しいことを始めたい企業がある。地域で自分の力を試したい人がいる。
その両者が同じ滋賀にいても、お互いの存在や、何を一緒にできるのかが見えているとは限りません。
企業の困りごとを聞き、人材の思いを知り、一緒に取り組めるプロジェクトをつくる。動き出した後も、双方の間に立って支える。
そんな「地域コーディネーター」を育てる講座を、一般社団法人こくりしがが企画しています。滋賀県の「令和8年度 人材循環で拓く持続可能な地域創造事業」を受託し、長期実践型インターンシップを題材に、全4回で学ぶプログラムです。
Shi-Zebraがこの取り組みに感じているのは、滋賀にある力を、一緒に挑戦できる関係へと変えていく可能性です。
出会いを、実際に動くプロジェクトにする。
例えば、地域の企業が「若い人の意見を取り入れたい」と考えているとします。一方で、学生は「地域の商品づくりに関わってみたい」と思っている。
この二者が出会ったとき、具体的に何を、どこまで一緒にできるでしょうか。
企業は何を変えたいのか。学生は何に関心があり、どのくらいの時間を使えるのか。誰が相談相手になり、何を目標に進めるのか。
こうしたことを整理して、初めて取り組みの形が見えてきます。
コーディネーターの仕事には、双方の期待を確かめ、無理なく挑戦できる役割や進め方をつくることも含まれます。私たちは、この丁寧な調整こそが、地域に新しい事業や活動が生まれるための大切な仕事だと考えています。
地域の企業が、自分たちの可能性に気づくきっかけにも。
地域で長く続いてきた企業には、日々の仕事の中で培ってきた技術や経験、人とのつながりがあります。
ただ、その価値は、社内では当たり前になっていることもあるでしょう。
外から関わる人の「これ、面白いですね」「こんな人にも喜ばれそう」という言葉が、新しい商品や届け方を考えるきっかけになるかもしれません。
一方、関わる人にとっても、企業の現場を知ることで、自分が地域でできることが具体的になります。
企業が持つ力と、外から加わる視点。その両方が生きる関係をつくることは、地域に根ざした事業の新しい可能性を広げていくことにつながります。
ローカルゼブラを育てるには、伴走する人の仕事も続く必要がある。
地域の課題に向き合い、事業として続きながら、周囲にも価値を生み出していく。Shi-Zebraが大切にするローカルゼブラの視点から見ると、その挑戦に伴走する人の持続可能性も欠かせません。
人の話を聞くこと。企業を訪ねること。双方の認識の違いを調整すること。うまく進まないときに、もう一度話し合うこと。
どれも時間と専門性が必要な仕事です。
今回の講座で注目したいのは、プログラムに「民間自走モデルのつくり方」が含まれていること。和歌山での実践をもとに、民間資金によってコーディネート事業を続ける方法を学ぶ内容です。
地域にとって必要な仕事を、担う人が続けられる仕事にする。その仕組みまで考えることが、挑戦を支える環境を育てるうえで重要だと思います。
滋賀の実践を、次の担い手へつないでいく。
講座には、NPO法人ETIC.の伊藤淳司氏、長浜で活動する合同会社andstepの中井健太氏、和歌山の株式会社TODAYの山田かな子氏が登壇者として名を連ねています。
なかでも中井氏の講座では、長浜での企業開拓や学生とのマッチング、伴走支援について、失敗談も含めて扱う構成になっています。
地域も企業も、関わる人も、それぞれ違います。実践者がどこで迷い、どう相手と向き合ってきたのかを知ることは、自分の地域で動くときの手がかりになるはずです。
滋賀の中にある経験を共有し、次に動く人が学べるようにする。そこにも、この講座の意味を感じます。
「あの人に相談してみよう」が増える滋賀へ。
地域で何かを始めようとしたとき、思い浮かぶ相談相手がいる。
企業が新しい挑戦を考えたとき、一緒に整理してくれる人がいる。
その存在によって、頭の中にあったアイデアが、誰かと取り組む具体的な計画になるかもしれません。
こくりしがの地域コーディネーター養成講座を、私たちは、そんな相談相手や伴走者を滋賀に増やしていく取り組みとして捉えています。
これから見ていきたいのは、講座での学びをきっかけに、地域でどんな関係が生まれ、どんな挑戦が動き出すのか。
挑戦する人と、その力を必要とする企業。その間に立つ人の仕事にも、Shi-Zebraは目を向けていきたいと思います。
今回紹介した取り組み
地域コーディネーター養成講座
主催:滋賀県
事務局:一般社団法人こくりしが
内容:長期実践型インターンシップを題材に、コーディネーターの役割、長浜での実践、民間自走モデルなどを学ぶ全4回のプログラム。
※2026年7月22日発表の案内をもとに紹介しています。当初の申込締切は2026年7月31日です。